【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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◆eltIyP8eDQ
[saga]
2019/05/13(月) 00:35:34.38 ID:bVfjB2rg0
杏「……ごめんね」
「謝らないでください。……覚悟して、やった事なんでしょ?」
杏「……うん」
頷く杏の顔はとても、納得している様にも、気に病んでいないようにも見えず、そんな彼女の様子にみほは自嘲を込めて息を吐く。
「ああ……私は、やっぱり貴女みたいには出来ないや。貴女ならきっと……もっと……」
そうしてまた、月を見上げた時沙織が一歩前に出てくる。
沙織「西住さん」
先ほどまでの嬉しそうな、泣きそうな顔ではない、決意を込めた表情にみほも何かを感じ、
桃をそっと立ち上がらせて、離れる。
果し合いでもするかのように向き合うと、沙織が口を開く。
沙織「私はね、ショックだったよ。あなたがエリカさんじゃないって知って」
「……」
沙織「私だけじゃない、みんなそう。今日まで一緒に戦ってきた人が別人だって言われてショックを受けない人なんていないよ」
「……うん。そうだよね」
当然だ。自分のしたことはそういう事なのだから。
気づかなかった。そうなるとは思わなかったなんて事言えるわけがない。
この事態は全部、自分勝手な自分が招いた事なのだから。
沙織が怒るのならそれは当然の事なのだからと、みほは覚悟していた。
だけど、釣りあがった眉は落ち、沙織の表情に優しさが戻る。
沙織「……でもね、だからって私たちがあなたと過ごしてきた今日までが無くなるわけじゃない」
まるでいつものように、なんてことのない食事時の世間話をするかのように、沙織は微笑む。
沙織「辛かったことも、楽しかったことも、『逸見エリカ』じゃなくて、『あなた』と過ごした時間なんだよ。だから、」
結局、沙織は答えなんて見つけられていない。
みほがエリカを騙る事が間違いだとわかっていても、それを咎めるつもりは沙織には無かった。
大事なのは、助けたいのはみほだから。
だから、みほに伝える。
みほの過ごした大洗での日々は、偽物なんかじゃないと。
『西住みほ』が紡いできた絆なのだと。
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