【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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◆eltIyP8eDQ
[saga]
2019/05/13(月) 00:34:43.71 ID:bVfjB2rg0
聖グロとの練習試合、サンダースとの一回戦、プラウダとの準決勝。
目の前に現れた栗毛の少女の幻影は、いつだってみほを蔑んで、嘲笑っていた。
その意味にみほは最初から気づいていた。だから、拒絶し続けた。
「それがもう見えなくなった。私は……もう、エリカさんのフリも出来なくなった」
自分を否定する幻が見えなくなった。それはつまり、もう否定する必要すら無くなってしまったという事だ。
エリカでいられなくなった自分はもう、嘲笑う価値すら無くなったのだと。
なのに、そんな自分をこんなボロボロになってまで探してくれた。
それが、嬉しかった。
「桃ちゃん、あなたは私に廃校を背負わせたっていうけど、私本当に嬉しかったんだよ?戦車道は私の、何にもない私の唯一の取柄で、エリカさんに褒めてもらった事だから」
戦車道が無い学校でも戦車道を続ける。母親にそう吐き捨てたものの、結局みほ自身ではどうしようも出来なかった。
転校して、何もできずただ『エリカ』のフリをし続けてた日々に、確かな光が灯ったように感じた。
「きっと、あなたたちが声をかけてくれなかったら、私は……」
その先は言葉にならなかった。
桃がぎゅっと、胸元を掴む手に力を込めたから。
『その先は言わないでくれ』と、瞳で訴えてきたから。
みほは桃の髪をそっと手で梳く。
「だから、会長もそんな顔しないでください」
そして、辛そうにこちらを見つめる杏に、微笑みかける。
けれども杏の表情が緩むことは無い。
むしろ、先ほどよりも辛そうに顔を歪める。
杏「西住ちゃん、私は……」
「まぁ、確かに最初はムカッとしたけどでも……どのみち、私には戦車道しかなかったんですから」
軽くおどけてみたものの、やっぱり杏は辛そうにしたままで、みほも困ったように笑う。
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