【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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184: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/05/13(月) 00:17:28.64 ID:bVfjB2rg0



裏山に鳥や小動物以外の野生動物がいるだなんて聞いていないが、まさか……とみほの背中を冷たい汗がつたう。


どうする、逃げられる?流石に熊などはいないだろうが野犬の類ならばあるいは……

みほは周囲を見渡し、手のひらほどの大きさの石を掴む。

無論、これで撃退するなどとは考えてはおらず、一瞬でも隙が作れれば程度のものだ。

立ち上がり、周囲を見渡し退路を探る。

麓へ続く道は音のする茂みの傍にある。

……隙を見て一気に走るしかないか。

みほは覚悟を決め、茂みを注視する。


そして、茂みから黒い影が飛び出してくる。



みほが石を構えた時、その影を月明かりが照らす。

その見知った影に、みほは手の中の石をポトリと落とす。


「桃、ちゃん?」


桃の着ている制服には所々土埃や葉っぱがついていて、裾のあたりは枝でも引っかけたのだろうか、少し裂けていた。

ボロボロという言葉で充分表せる桃の姿に、みほは言葉を失う。

対して桃はみほの姿を認めると呆然とした表情のまま、ポツリと呟く。


桃「……西住」


そしてそのままヨロヨロとみほに近づくと、倒れこむように抱き着いてきた。


「え、ちょっ……」

桃「良かったっ……良かったあああああああああああああっ!!」

「え?え?何、何?」


何で桃がこんなところに。

何で抱き着いてきたのか。

何で登山道ではなく茂みから飛び出してきたのか。


何がどうしてこうなったのか全く分からないみほの胸の中で、桃は声を上げて泣き出す。

わけがわからずオロオロと周囲に視線を彷徨わせるみほの耳に、また別の声が聞こえてきた。


沙織「こっちから桃ちゃん先輩の声が!!」


その声が途切れるやいなや、先ほど桃が飛び出してきた茂みから今度は4つ、いや6つ、見知った影が出てくる。

最初に出てきたのは沙織、その後を優花里、華、麻子が。

更にその後を杏と柚子が続いて出てくる。


桃の事を処理しきれていないみほの頭は今度こそパンクする。


「え?みんな?なんで?」




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