【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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10: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/03/23(土) 23:43:32.77 ID:cpswsJVq0



沙織「……私たちも帰ろう。それで、ちゃんと考えをまとめて、あと他のチームの人たちとも話し合って……」


沙織が今後の行動を確認も込めてみんなに伝えようとすると、沙織の後ろ、優花里と華の更に後ろから小さな影が出てくる。


優花里「麻子殿……?」


のそりと、まるで足を引きずるかのようにゆっくりと麻子は歩く。

どこか虚ろなその瞳は、沙織の後方、みほが去って行った方を見ていた。

学園艦に戻ってからずっと黙っていた幼馴染のおかしな様子に、沙織が心配そうに声を掛ける。


沙織「麻子、どうしたの?」


沙織はかがんで、麻子の顔をのぞき込むように見る。

麻子はちらりと沙織と視線を合わせると、再びみほが去っていった方向に視線を戻す。

いったい、どうしたのだろうかと沙織たちが心配していると、麻子がぼそりと口を開く。


麻子「……なぁ沙織」

沙織「何?」

麻子「いつっ……西住さんは、大切な人を失ってたんだな」

沙織「……そうだね」


みほにとって、逸見エリカという人間はどれほどの存在だったのだろうか。

それを推し量る事なんて誰にも出来ないだろう。

それでも、計り知れないほどの想いをエリカに持っている事は沙織にもわかる。

それでも、みほのしたことを理解できなかった。

その事に沙織が内心歯噛みすると、目の前で麻子が崩れるように膝をつく。


麻子「……なんで、私は気づけなかったんだろうな」


呆然と呟かれた言葉。大きく見開かれた瞳から涙が静かに流れだす。


麻子「なんで、私は西住さんの気持ちが理解できないんだろうな」


その表情が怒りと悲しみと、悔しさに歪む。


麻子「大切な人を失った気持ちは、一番、私が理解できるはずなのにっ」


その細い手が舗装された道を殴りつける。


麻子「私は……『友達』だって、言ったのに……」





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