【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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11: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2019/03/23(土) 23:46:51.74 ID:cpswsJVq0



必死で声を押し殺し、それでも堪えきれない泣き声が漏れ出してくる。

その肩を沙織が抱きすくめようと手をのばすと、麻子が首を振ってそれを拒絶する。


麻子「なのに私は、わからないんだ。沙織、私は……西住さんに何をしてあげればいいのか、わからないんだ……」


沙織は知っている、麻子は不愛想なように見えて、誰よりも情に厚い子なのだと。

その麻子が、自分から友達だと言った『彼女』の事を、気にしていないわけがないと。

だから沙織は麻子をぎゅっと、正面から抱きしめる。

額を合わせ、かつて泣きじゃくる自分に母がそうしてくれたように、優しく語り掛ける。


沙織「……麻子、私もだよ。簡単に答えが見つかれば苦労しないよね」


麻子の潤んだ瞳が沙織の瞳と合わさる。


沙織「だから、一緒に考えよう。きっとみんなも、そう思ってくれてるから」


沙織はここにはいない人たちを想う。

今頃、彼女たちもみほの『真実』を聞いているのだろう。

それを今すぐ理解することなんてできないだろう。

それでも、同じ戦いを乗り越えてきた彼女たちとなら、仲間たちなら、

決して、考える事をやめないだろうから。

だから、自信を持って麻子に笑いかける。


その笑顔に麻子は苦笑して、大きく深呼吸する。

肩を貸そうとする沙織の気遣いを固辞して、ゆっくりと立ち上がる。


麻子「……すまない。ちょっと取り乱した」

沙織「良いんだよ。友達なんだから」

麻子「……ありがとう」

沙織「あれ?随分素直にお礼言うんだね」


気恥ずかしそうに頬をかく麻子に、沙織がからかうように笑いかける。


麻子「……善意には感謝で返せ。そう、教えてくれた人がいたからな」

沙織「……そっか」

優花里「でも、西住殿はどうすれば……」

華「彼女の心は深い底で、固く閉ざされてます。生半可な説得ではさらに頑なになるだけでしょう」


沙織がみほが去って行った先を見つめる。

先ほどみほを見つめた時のように揺るがず、強い決意を込めて。



沙織「だけど、このまま終わりになんて出来ない。終わりになんてさせない……絶対に」



その言葉に、ここにいる全員が問われずとも頷いた。






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