【バーナード嬢曰く。】神林しおりの私小説【さわ×しお】
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9: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/03/14(木) 22:32:25.71 ID:3gAsdKZp0

 そうそう三島はともすれば神経質ともとられかねないナイーヴな内面から脱却するために、かなり体を鍛えていたんだ。いわゆる昔の文豪のイメージが部屋に籠って小説ばかり書いている虚弱体質ばかりなのに比べて、そのあたりもまた凄い面倒くさいやつだなぁって感じがして、私はそこも気にいってるんだ!

 別に私はジャンルに甲乙をつけるつもりはなくて、SFも超能力ファンタジーもミステリも恋愛も全部いいところがあると思ってるけど、純文学はエンタメってよりも芸術の色合いが強いから、作者の人間性を楽しみたいならそっちのジャンルがお勧めだぞ。お前は全然手をつけないけど、今読んでる『幸福号出帆』だってなかなか軽妙だろ? 内容を楽しむ小説と、文章や構造を楽しむ小説は、同じ括りにしちゃだめなんだと私は常々思ってる。

 構造って言えばスーザン・ソンタグの『反解釈』なんかは芸術全般をどう理解すればいいのか、ってことにかなりためになることを書いてるな。素晴らしい芸術とは内容が素晴らしいのではなく、芸術を形作る構造が素晴らしいのだっていう形式主義的な観点からの著作なんだけど、選書版はちょっと邦訳が堅苦しくて、読み返すには向いてないのが残念だなぁ……」




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