【バーナード嬢曰く。】神林しおりの私小説【さわ×しお】
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6: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/03/14(木) 22:30:29.50 ID:3gAsdKZp0

「ねぇ、神林ってまだ小説書いてたりするの?」

「えっ? ……うん、まぁ、どうかな」

 マグカップに入れた牛乳を電子レンジに入れながら答える。ついでに、自分のぶんも。

「やっぱりさ、文章って人間性出るよね。神林はどんな感じなの?」

 見せてくれと言われるかと思ったが、どうやら少し趣が違うようだ。
 濁してみせたが、実際に小説を書いていると断言できるほどではない。そもそもが無目的で、真似事だ。模倣は芸の始まりとはよく言ったものだけれど、私のそれはあくまで頭の中に浮かんだ設定を文章化して、悦に浸るだけの行為に過ぎない。
 それを小説と呼ぶのは、私の中の矜持が少し邪魔をした。私が読者だったならそれを小説とは認めないだろうし、尊敬する小説家たちにも失礼な気がしたからだ。

「どんな感じって……自分じゃわかんないぞ」

 自分の文章を思い返す。ポップな文体ではない。例えばライトノベルのように、テンポの良い会話重視で進んだりはしない。かといって新本格ミステリに列せられるような言葉遊びを楽しんだりするわけでもない。
 やはりSFの影響が強いのだ。それも筒井康隆や星新一のような感じではなく、もっとごりごりのハードSFの。




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