男「この俺に全ての幼女刀を保護しろと」
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82:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:09:26.37 ID:BBwPih0C0
潮風に撫ぜられる港町 導路港-どうじょこう-
その名の通り海に浮かぶ数多の船に人々を乗せ航路へと導いてきた国の扉である。

南蛮の民との貿易航としても頻繁に機能するこの町はこの国で最も世界に近しいとも語られていた。

以下略 AAS



83:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:10:13.65 ID:BBwPih0C0
紺之介「ほう。この刀なかなかだな……欲しい」

しかしこの男、まともな散策もなしに情報収集建前刀屋に寄り道をかましていた。店内数多の鋼の煌めきがそのまま彼の瞳孔を輝かせる。
実力、嗜好。二つ合わせて剣豪語る紺之介、呆れ返る幼刀二人をよそに気前良さげな店員に刀の値を聞く。



84:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:11:32.81 ID:BBwPih0C0
刀屋店長「あんさんそれに目をつけるとはお目が高い……なんと今なら八十両!! ここで買わねばいつ買うんだい」

因みにここの店主南蛮の民にも数多の刀を売りつけた百戦錬磨の商い匠である。

紺之介「ヒヒヒッ、口の上手い男よ。いいだろう……買っ「あほう」
以下略 AAS



85:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:12:12.54 ID:BBwPih0C0
しかしこの男、彼女に背を殴られてもなお己の愚行を疑わない。

紺之介「何だいきなり。まさか同じ刀として売り物に嫉妬を抱いたのではあるまいな」

愛栗子「なわけなかろうが。なぜわらわが只の鋼板に嫉妬せねばならんのじゃ」
以下略 AAS



86:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:12:52.43 ID:BBwPih0C0

紺之介「九十二両一分三朱だ。あと銅貨か何文か〜……」

愛栗子「なぜわらわを茶屋に連れてくのを渋りその刀に金が出せるのじゃ!」

以下略 AAS



87:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:13:45.56 ID:BBwPih0C0
紺之介「まぁそう吠えるな。いざとなれば乱の背負った庄司の刀がある」

乱怒攻流「ちょっと何あたしの刀売ろうとしてんのよっ! っていうかあたしが振ってるのはそんな安物よりよっぽど高いんだけど!」

紺之介「なるほどそれはいいことを聞いた」
以下略 AAS



88:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:14:45.36 ID:BBwPih0C0
乱怒攻流「いや……おかしいでしょ。何あんた実はいい刀の価値もよく分かってないの……?」

紺之介「千両刀ともなればさすがに共通認識にもなりえるが、刀に対して真眼を持つ剣豪たる俺の眼は他の凡人とは異なるのでな……例え庄司が良しとした刀全てを俺も肯定するとは限らんのだ」

乱怒攻流「呆れた。もうあたし付いていかないから」
以下略 AAS



89:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:16:07.34 ID:BBwPih0C0
刀屋店長「一番の刀ですかい……実は昨日入ったばかりの曰く付きがあるんですけどねぇ」

店主の男は一人奥へと入っていくと一分程後に両手に抱えた四尺程の木箱を紺之介の前に出して見せた。その中開けて覗き込むとそこには鞘のない生身の太刀が一振り……そして紺之介の刀狂心に稲妻駆け巡る。

紺之介(これは……!)
以下略 AAS



90:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:16:51.30 ID:BBwPih0C0
刀屋店長「いやぁやっぱり分かりますかい? これですねぇ……実は妖の宿る刀らしいんですわ」

紺之介「ふむ、妖刀ということか」

幼刀とはまた違う興味に煽られた紺之介が詳細に耳を傾ける。
以下略 AAS



91:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:18:16.59 ID:BBwPih0C0

刀屋店長「昨晩店仕舞いしようって時間にここいらを張る海賊共の船長が来店したんでさぁ」

紺之介(海賊……? なるほど有名な貿易港だからな。そういう輩も湧くわけか)

以下略 AAS



92:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:20:08.83 ID:BBwPih0C0
そこから刀屋の店主は露骨に声を潜めて手のひらを口の横に立てて話し始めた。

刀屋店長「でよ? なんでもこの刀の柄を握ったやつは死の呪いにかかるんだと。その海賊の船長もいつもは威張り散らかしたロクでもねぇやつなんだがそのときばかりは浮かねぇ顔をしてたもんで話を聞いたらこれを握った仲間の一人がポックリあの世に逝っちまったんだとよ」

刀屋店長「んでまぁ綺麗な刀だがもう船に置いとくには気味が悪いってんでウチに売りつけてきたんでさぁ。最初は迷いもしたんですがぁね……こんないいモンを百両ポッキリで売ってくれるってんで、店に飾っておくことにしたんですよ。勿論柄には怖くて触れませんがね……ヘヘッ」
以下略 AAS



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