289:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:12:48.76 ID:QarN0Zl90
紺之介「……いや、やはりいきなり押し掛けて長きを共にした刀を寄越せというのはムシのいい話だと思ってな」
乱怒攻流「は!?」
愛栗子「ほう? して、どう決着をつけると?」
290:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:13:19.64 ID:QarN0Zl90
紺之介の発言と面持ちに茢楠は一瞬呆気に取られたかのような表情になったが直ぐに彼の言い分理解し確認に移った。
茢楠「つまり、フミと貴方が模擬試合を行い貴方が勝てばなんの蟠りもなくフミをここから連れ出すと」
紺之介「ああそういうことだ」
291:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:13:53.54 ID:QarN0Zl90
乱怒攻流「ね、ねぇあんたやっぱり馬鹿なの? なんでそんなことする必要があるよの!」
茢楠「私としてもあまりそれは……」
茢楠の内心を察した紺之介が補足を付ける。
292:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:15:17.75 ID:QarN0Zl90
茢楠「いえ、そうではありません。大変失礼ながら……紺之介殿ではフミに勝つことはできないかと」
紺之介「なんだと?」
293:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:15:48.36 ID:QarN0Zl90
この場において多数決でも取ろうものならば一瞬で片がつきそうなほど紺之介の発言は多方からの否定を受け愚言とされたがその一方で紺之介自身はそれを物ともしない闘志を燃やしていた。
否、完全に焚きつけられてしまったのである。
ここまでの戦いで幾度となく死線を潜り抜けてきた彼は元々自信過剰の実力者。
294:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:16:29.21 ID:QarN0Zl90
紺之介「俺はやるぞ。誰がなんと言おうと刃踏を負かし、必ずや実力にて収集してみせる」
茢楠「……」
乱怒攻流「あらら」
295:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:17:00.84 ID:QarN0Zl90
……………………
愛栗子と乱怒攻流、そして茢楠が見守る中紺之介と刃踏が向かい合う。
方や鞘付き刀を異様な形相で握る剣客の男、方や手ぶらに着物の少女……その光景はとても試合の前触れとは思えぬような光景であった。
296:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:17:31.98 ID:QarN0Zl90
紺之介「おい」
刃踏「は、ひゃいっ!」
紺之介「早く『刀』を構えろ。お前にもあるのだろう?」
297:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:18:17.66 ID:QarN0Zl90
茢楠「では御二方、よろしいですね」
紺之介の疑いの目配せを他所に茢楠は行司として対する二人の間に立つと片腕を真上に挙げる。
紺之介は握り手に、刃踏は震える足腰にそれぞれ緊張を走らせど一部の観客の目からは未だ憂いの目線がある中茢楠の腕が空を割いた。
298:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:18:45.83 ID:QarN0Zl90
声と共に紺之介のすり足が床を離れ、飛び込む形へと移り変わる。
姿勢を低くした急速な接近はかつて彼が乱怒攻流と対峙した瞬間を彷彿させる。
紺之介(先ずは獲物の正体を出させてやる)
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