270:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 17:49:55.74 ID:QarN0Zl90
紺之介「乱、乗れ」
乱怒攻流「ぇ……いや、あたしはそんなつもりじゃ……」
紺之介「あー早くしろ」
乱怒攻流の声は蝉のざわつきに呑まれ、後ろすら見ぬ彼の耳には届かぬものとなっていた。
乱怒攻流は唖然としながらも彼の背に吸われるように一歩一歩と石段を踏んでそれにすがる。
紺之介が再び立ち上がる中『これでいいのだろうか』とまだ少し恥の熱を持つ彼女の顔は横側の愛栗子の顔に気づくことはなかった。
そのときの愛栗子の顔こそ彼女が本当に見たかったものであったとも知らずに。
愛栗子「……不愉快じゃ。納めよ」
紺之介「結局か……納刀」
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