170:名無しNIPPER[sage]
2019/03/25(月) 21:16:16.31 ID:TVMQPh/do
乙!
171:名無しNIPPER[sage]
2019/03/26(火) 17:49:12.80 ID:5uNgCd5FO
乙!
172: ◆hs5MwVGbLE[saga]
2019/04/08(月) 22:28:16.28 ID:/2q0Qaon0
幼刀 「奴 -ぺど-
173:名無しNIPPER[saga]
2019/04/08(月) 22:32:36.62 ID:/2q0Qaon0
常闇統べる夜の空。
浮かぶ月下のこの場所は雑木林。
肉を裂かれた武士の悲鳴……それを食らうは理を外れた、かつて幼子だった何か。
それは刃物、着物に血を吸わせる姿はさながら赤鬼の子なり。
174:名無しNIPPER[sage]
2019/04/08(月) 22:32:45.44 ID:rcXhDrtF0
リアタイで初めて投下時に遭遇したけど>>172の一文で既に草
175:名無しNIPPER[saga]
2019/04/08(月) 22:33:22.45 ID:/2q0Qaon0
その影で暗躍する男あり。その男幼刀欲しさに死体の携えたる刀漁るもその刃見て微ながら肩を落とす。
「チッ、ダメか。こいつもハズレだ。行くぞペド」
「うー」
176:名無しNIPPER[saga]
2019/04/08(月) 22:34:07.80 ID:/2q0Qaon0
紺之介ら一行は港を渡り海から少し離れた町、茶居戸 -ちゃいるど- を訪れていた。
この場所は控え書きの情報によれば幼刀奴-ぺど- の在り処と記されたり。
早速情報収集のため通りを散策していた紺之介であったが町の様子に対して何やら不満気に眉を顰めていた。
177:名無しNIPPER[saga]
2019/04/08(月) 22:34:52.93 ID:/2q0Qaon0
愛栗子「紺、どうしたのじゃ」
紺之介「どうもこうもない。刀売りもいなければ鍛冶屋もない。どうなっているんだこの町は」
刀狂いの彼にとって旅中での刀見物はどのような質素な店内であろうと憩いの場となっていたのだ。
178:名無しNIPPER[saga]
2019/04/08(月) 22:35:32.50 ID:/2q0Qaon0
乱怒攻流「庄司も言ってたけど、今の時代ってそれほど刀に需要ないんでしょ? 寧ろなんでこんな田舎にあると思ったのよ……ってか買えないでしょあんた……」
半目の乱怒攻流に続いて愛栗子が彼に口添えする。
愛栗子「こればかりはそこの背嚢に同意じゃの。人の大欲を満たせぬものなぞいつかは廃れるものなのじゃ。いつの世も最後に人が求めるものは『食』に『休』に『色』というわけじゃな」
179:名無しNIPPER[saga]
2019/04/08(月) 22:36:31.22 ID:/2q0Qaon0
愛栗子「紺、心が落ち着かぬのなら一度茶屋に入らぬか? 腹を満たし足を休め、いくさ場にはない華が色を育てる……茶屋とは実によい場所じゃ。ほれ、丁度そこに暖簾が……」
乱怒攻流「もう聞いてないみたいよ」
愛栗子が熱弁に熱弁を重ねて茶屋に向かうよう促すも彼女が暖簾を指差してから紺之介の方を向いたとき彼はすでにそこにおらず先立つ町民へ話かけていた。
180:名無しNIPPER[saga]
2019/04/08(月) 22:37:23.25 ID:/2q0Qaon0
紺之介「すまん少しいいか。この町に刀を売る商人か鍛冶屋はないのか」
町民「ねぇ〜なぁ〜? なんだあんちゃん今どき珍しいお侍さんかい?」
町民の男は後ろ髪をかきながら紺之介の腰刀に指と視線を向けた。
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