10: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:38:56.61 ID:AWnUjP/X0
「これは良いことなのかしらね」
『さぁ、どうだろう。でも俺は嬉しいよ』
「そう」
『ついで……ではないんだけど、俺も関係ない話、一つしていいか?』
「……ええ」
『さっき、メールで事足りるって言ってただろ。アレさ、俺もそう思ったんだけど、なんとなく電話したくて。ほら、今日はタイミング合わなくて会えなかったし、明日も立ち会えないからさ』
「そうね。きっと私も、明日の朝その知らせをただ受け取るよりも、こうして電話してもらった方がずっと落ち込む度合いが軽かったと思うわ」
『そりゃよかった』
「だから、ありがとう。電話してくれて嬉しいわ」
『いえいえ。こちらこそ声が聞けて良かった。遅くにごめんな』
「ううん。大丈夫よ。それじゃあ」
『ああ、おやすみ』
「おやすみなさい」
つー、つー、と電子音を吐くのみとなった携帯電話を耳もとから離し、電源を落とす。
再度ベッドへと倒れ込み、相手のもとには届くはずのない、二度目のおやすみなさいを呟いて、目を閉じた。
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