1: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:31:02.84 ID:AWnUjP/X0
「一秒だって無駄にはできない」
いつだったか、私が担当のプロデューサーに対して言った言葉が、頭の中でリフレインしていた。
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2: ◆TOYOUsnVr.[sage saga]
2019/03/06(水) 05:31:44.10 ID:AWnUjP/X0
この考え自体は、今もまだ変わってはいない。
けれど、最近になって、不可解な変化が自身にあった。
3: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:32:35.57 ID:AWnUjP/X0
私は私が、無駄だとか非効率的な行動だとか、そういった類のものを好まないことは重々承知しているし、こうしている今だって、これから先取るべき行動が優先度順に頭には浮かんでいる。
なのに、時折、制御ができなくなる。
4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:33:45.57 ID:AWnUjP/X0
手早く髪を乾かし、入浴後のケアを済ませ、ストレッチへと移る。
既に習慣と化した、流れるような工程に満足感を覚えながら伸ばしている筋肉に意識を向ける。
5: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:34:16.66 ID:AWnUjP/X0
そのときだった。
充電器に接続されている携帯電話がぶるぶると震えた。
6: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:35:07.13 ID:AWnUjP/X0
急用だろうか。
しかし、急用だとしても今すぐなんてことはないだろう。
7: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:36:05.21 ID:AWnUjP/X0
「もしもし。私だけれど」
『あ、夏葉。俺だけど』
8: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:37:10.63 ID:AWnUjP/X0
『あれ。結構本気で落ち込んでる?』
思ったことをそのまま言い当てられ、どきりとしてしまう。
9: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:38:02.84 ID:AWnUjP/X0
『ああ、そう言われたらその通りで返す言葉もない』
「あ、その、プロデューサーを責めているわけじゃないのよ?」
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