9: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/03/06(水) 05:38:02.84 ID:AWnUjP/X0
『ああ、そう言われたらその通りで返す言葉もない』
「あ、その、プロデューサーを責めているわけじゃないのよ?」
『というと?』
「そういう、前までは非効率や無駄に感じていた行動を取ってしまうのが不思議で」
『そっか』
何故かプロデューサーはくすくす笑って、言う。
「何笑ってるの?」
『いや、ちょっとね。そっか、夏葉は気付いてないんだな』
「……? どういう……」
『きっとそれはね、夏葉の性格自体は変わってないと思うよ』
「非効率や無駄に感じていた行動を平気でしてしまうのに?」
『ああ。夏葉が無駄を嫌うのは変わんなくて、ただ単に夏葉の物の見方……っていうよりは物の受け取り方か。それが変わっただけなんじゃあないかなぁ』
言われて、はたと気が付く。つまり、私は。
紅潮する頬と、汗ばむ手のひら。これが電話で良かった、と謎の安堵をする。
「……そういうことだったのね」
『納得した?』
「ええ。納得したわ」
『うんうん』
にやけた顔が目に浮かぶ。
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