93:名無しNIPPER[saga]
2019/03/20(水) 09:03:02.60 ID:ACwa9jOx0
裏切り行為を働いたのだから、恨み言の一つでも言われるのではないか。
そう考えていたちひろにとって、その言葉は些か拍子抜けだった。
「プロデューサーさん、とても喜んでました。ちひろさんのお陰です」
頭を上げた智絵里の表情には、いつも彼女が浮かべている笑顔があった。
そこには漆黒の瞳も、冷徹な笑みも無い。
ただただ無邪気な笑顔が、いつも通りにあるだけであった。
それを見たちひろは、本当に感謝を伝えに来ただけなのだと、ホッとする思いだった。
先程に見えた表情は、恐れるあまりに見えてしまった幻覚か、目の錯覚だったのかもしれない。
112Res/75.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20