不死講
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46: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/16(日) 18:02:51.82 ID:Uf1CGfEh0


魔王「だったら、お前が俺を殺しておくれよ」


勇者「俺の力じゃあ魔王を殺しきれねえから、寿命がきれるのを待ってるんだろうが」


魔王「ちっ、我だって死ねるもんならさっさと死にたいさ。テレビにもラジオにも飽き飽きだ。漫画や小説も、これだけ長く生きてると先の展開が読めてしまってつまらねえ。現世で生きる無上の苦しみには、我はもう耐えきれん」


勇者「まあ、そんなところだろうと思ってな。今日は面白い話を持って来たぜ」


魔王「面白い話?」


勇者「ああ、なんでも月のでない夜。俺たちのように死ぬことのできない者たちが夜な夜な『講』を開いているらしい」


魔王「ほう、この世界に我ら以外にも不死者がいるというのか」


勇者「おうよ、それで今晩は、その月の出ない夜ってわけだ。一緒に行ってみようぜ」


 場面は変わって、とあるアパートの一室。さほど広くないそこには、勇者と魔王を含め有象無象のアンデッド達が集まっておりました。さながら、その様相は百鬼夜行。まともな人間の姿を保っているのは勇者一人でありました。


勇者「うひゃあ、こりゃまたすげえな」


魔王「おい、向こうを見てみろ。肉が腐り落ちてるのに、動いている奴がいるぞ」


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