45: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/16(日) 18:02:25.30 ID:Uf1CGfEh0
年号が令和に代わって早ひと月、いやはや時代の流れというものは実に目まぐるしいもので。
しかし、ニュース番組を見れば毎日のように物騒な事件ばかり。毎日、人死にの話を聞くというのは、なかなかに辛いものがありますなあ。
「死」というものは、実に恐ろしいものにございます。私のような一般市民はもちろんのこと、権力者や大富豪、ボクシングのチャンピオンにだって平等に訪れるのですから。
ところが、読み物の世界に目を向けてみると、これがまた不思議なことに「不死」たることの多さに目をみはります。人々は死を恐れるあまりに想像の世界に「不死」を求めているのかもしれません。
今回のお話は、そんな不死を得てしまった者たちが夜毎に開く『不死講』のおはなしにございます。
勇者「おーい、いるか?」
魔王「いるよいるよ、カギはかかってねえから入ってくれ」
勇者「久しぶりだなあ魔王、500年ぶりぐらいか」
魔王「だれかと思えば、勇者か。もうそんなに経つのか」
勇者「ちっと近くに寄ったもんでな、それでどうだい? そろそろ寿命はつきそうか?」
魔王「それがちっともさ、腰はいたまねえし、思考も冴えっぱなし、体力も全盛期となんら変わらん」
勇者「おいおい、魔王が死なない限り、勇者である俺も死ぬことができねえんだ。そろそろ死んでくれよ」
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