7:名無しNIPPER
2019/02/20(水) 21:18:24.11 ID:Nl4QXXYK0
程なくして、すべてのスイーツがテーブルに並べられる。
それを確認したところで、星梨花の誕生日会は始まった。
「それじゃあ、星梨花ちゃんお誕生日おめでとうということで、乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
コーヒーや紅茶が入ったティーカップが乾いた音を立てる。
優雅なティータイムの幕開けだ。
そしてお茶会は予想通りの方向へと舵を切り始める。
星梨花がチーズケーキに舌鼓を打ち、ダージリンティーを啜っている間に、
スタッフ達は世間話に花を咲かせていた。やれあの出演者は偉そうでなんだの、
あのコーナーは数字が良くないから廃止した方がいいだの、
番組制作への愚痴をあれこれと並べ始めた。
それは今日の主役とされている星梨花にとっては不快以外の何物でもないわけだが、
この手の話は盛り上がるもので、星梨花を置き去りにして時間は進んでいく。
結局、事務所のみんなとの約束の時間ぎりぎりまで、その話が終わることはなかった。
その後も店内に残るらしいスタッフを置いて、星梨花は一人、事務所へと向かうことにした。
彼女の心の色を映し出すように、空はどんよりとした重苦しい灰色の雲で覆われていた。
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