6:名無しNIPPER
2019/02/20(水) 21:16:57.68 ID:Nl4QXXYK0
目当てのケーキ屋は、テレビ局から歩いて五分とかからないところにあった。
オープンしたばかりというのは本当らしく、レンガ造りの洋館をイメージした
のだろう店先には、新装開店を祝うフラワースタンドがいくつか置かれていた。
その脇にある扉を開けると、店内からお菓子のいい匂いが漂ってきた。
この店は持ち帰りもできるらしい。
入口の目の前に置かれたショーケースの中には、ケーキの他にも様々な洋菓子が
並べられており、店内で食べるときにはその中からいくつかを選び、
それと飲み物を選んで会計を済ませれば、店内奥の席まで持ってきてもらえるらしい。
星梨花は早速ショーケースとにらめっこを始め、オススメだというチーズケーキと
チョコレートマフィン、そして飲み物にダージリンティーを選んで会計を済ませようとした。
その時、
「ああ、いいよ。今日は僕が持つから」
そう告げたのは、星梨花の後ろでお菓子を選んでいた番組プロデューサーだ。
男の人だけど甘いものに目がないという人は最近多いらしいが、彼もその例外
ではないようだ。晩御飯に支障が出るのではないかと思うほど大量のスイーツを
すでに持ち帰り用に買い込み、そのうえで店内でもケーキを食べるらしい。
「えっ、でも……」
「誕生日なんだしこのぐらいはやらせてくれよ」
「えっと、じゃあ……ありがとうございます!」
誇らしげな顔をしている番組プロデューサーに一礼して、
星梨花はすでに他のスタッフ達が陣取っている店内奥のテーブルへと向かった。
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