少女は死ぬまで生きるようです
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3:はみがき
2019/02/10(日) 11:39:15.51 ID:eA0evHgOO
サーチライトに撫でられるまで2話

細波が無骨な防波堤に打ちつけられて、ちゃぷんと音を立てる。月は相変わらず飽きっぽい表情で、私の遥か空を照らしていた。



「…………いきなり物騒なことを言うね、キミは」


「……そんな凶器持ってる貴女が言うんですか…?」


「おっと、仕舞い忘れてたね」

わざと見せつけたのだろうか。おどけた様子で彼女は、その黒々とした大鎌を薄闇に溶け込ませるようにして消し去った。


…………ほっぺたをつねってみる。
……夢ではない。

いや、ここが夢だとしても私の願いは変わらない。
……命ある限り終わりが来るのだとしたら。

そんな残酷な結末に抗う方法なんて、たった一つしかないじゃないか。

だから……だから、私は私を殺したかったのだ。



「それで……願いを訊いてくれるんですよね?はやく殺してくれませんか?」

「うーん……[ピーーー]のはやぶさかではないんだけどねー……」

「死神は、生きたがってる人間しか殺せないんだ」

「…………はい?」

「いやだから……つまりさ」

屈託のない笑顔で彼女は言う。


「……キミは生きなきゃいけないってわけだよ」




ひどく重たい言葉が脳を殴って、濃密な虚無の匂いに私は嘔吐した。

その場にうずくまり、だだっ広いだけの夜に嗚咽を投げ続けた。

その様子を死神は慰めるでもなく、ただ同じ目線にしゃがんで、足元に広がる吐瀉物も気にせずに、泣き止むのを待ってくれていた。




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