3:名無しNIPPER[saga]
2019/02/08(金) 22:12:47.74 ID:441QTGT20
「あぁ」
合点した。そう言えば、撮影の合間に観たって話をしてたっけ。
確か、アニメ映画だったと──。
疑ってしまったことをこちらが謝る前に、楓さんは続ける。
「映像がとても綺麗な、アニメーションの映画でした。
言葉が分からない分、視覚的に楽しめるものの方が良いでしょうって、奏ちゃんが提案してくれて」
「実際、どうでした?」
謝罪を入れる隙を与えてもらえないなら、せめてコーヒーでも淹れるか。
俺は立ち上がると、カップを二つ、サーバーにセットした。
「良い映画でした。
クライマックスで、主人公の子が虹色の橋を渡ると、光の矢がわぁっと降り注いで、オーロラのカーテンが優しく包んで──
ストーリーは、よく分かりませんでしたが、世界が救われたんだなぁって」
「ハハハ」
結構適当だな。それに、話だけ聞くと何だかチープだ。
フランス映画のくせに、と勝手に思う。
「今の、笑う所ではありませんよ」
「すみません」
心の籠もらない謝罪をおざなりに零して、代わりに淹れたコーヒーを差し出してみる。
「ただ、アニメだからとは言いませんが、子供っぽい気がして」
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