『ブギーポップは笑わない』は視聴者の方が笑えない糞アニメ
1- 20
14:名無しNIPPER[saga]
2019/01/28(月) 22:20:01.85 ID:jl22JSNCO
「!!」

 違う。この口笛は、ヘッドホンから流れている音ではない。
 その事実に気づいた増田≠ヘヘッドホンを頭からむしり取り、音の出どころを探った。

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2019/01/28(月) 22:22:14.91 ID:jl22JSNCO
「匿名(アノニマス)、か――」

増田≠フ当惑をよそに、黒帽子は口笛を止めて言葉を発した。黒い唇からこぼれる声は澄んだボーイソプラノで、やはり性別を特定することはできなかった。

「人には、自分にとって切実な何かを伝えるために、敢えて何者でもない立場をいっとき必要とすることもある。だが、『匿名』こそが本質であり立ち返るべき『自分』を持たない存在――それは『自分』という限界に縛られないが故に、無目的にただ領土だけを広げ続け、遠からず世界を埋め尽くすことだろう。その新世界では、根拠となる体験を欠いた空虚な感情だけがやり取りされ、真の意味での交流は永遠に失われる……間違いなく、世界の敵だな」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER
2019/01/28(月) 22:23:28.18 ID:jl22JSNCO
「…………!」

 声が出なかった。いくら喉に力を込めても、最初の一音すら形にならずに、ただかすれた吐息が漏れるばかりだ。

「それこそが、君が世界の敵である証なんだよ」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2019/01/28(月) 22:25:48.36 ID:jl22JSNCO
「……っ!?」

 直前までまとっていた「自称アマチュアアニメ批評家」の「設定」が霧散したことで、増田≠ヘ意識を取り戻した。思わず首の周りに手をやるが、傷一つ付いてはいない。

「なるほど。君の能力にはそういう働きもあるわけだ」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2019/01/28(月) 22:27:17.30 ID:jl22JSNCO
 実のところ増田≠ノとっても、匿名ブログのこのような使い方は初めてのことだった。だがその事実を意識することすらなく、増田≠ヘこの応用をごく自然に行っていた。まるでこれが本来の用法だったかのように。

 警察官の増田≠ヘ、いかにも手慣れた動きで腰のホルスターから素早く拳銃を引き抜いて安全装置を外すと、黒帽子の頭に狙いをつける。この距離なら外すことはないだろうし、さすがに銃弾を正面から受けても平気ということはあるまい。

 しかし弾丸が発射されるより早く、引き金にかけた増田≠フ指をめがけて光が走った。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2019/01/28(月) 22:29:40.27 ID:jl22JSNCO
「……」

 異常なまでの適性ゆえに普段は意識せずに済んでいたが、この匿名ブログサービスは本来、少しでも油断すると「あれ?増田さん、この話前にもしませんでしたっけ?」と指摘を受ける、投稿者に厳しい場だ。いかに増田≠フ記事とはいえ、短時間に似たようなネタを続けて投稿したのでは、ブクマやPVを稼ぐことなどできない。「設定」を定着させるためには、読者からのそういった「承認」を得なくてはならないのだ。

 少なくとも同じ職業をネタにすることは避ける必要があった。とすれば、「設定」を潰されるたびに書ける記事の選択肢は少しずつ限られていく。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER
2019/01/28(月) 22:30:44.56 ID:jl22JSNCO
すいませんちょっと30分ほど外します
SSは今日中に必ず終わらせますのでどうかお付き合い頂ければ幸いです


21:名無しNIPPER
2019/01/28(月) 22:32:02.94 ID:jh53x2rBO
なんちゅう良いところで……必ず戻ってこいよ


22:名無しNIPPER
2019/01/28(月) 22:52:41.41 ID:jl22JSNCO
投下再開します


23:名無しNIPPER[saga]
2019/01/28(月) 22:56:09.67 ID:jl22JSNCO
 投稿可能文字数は感覚として染み付いていたし十分に注意もしていたはずだったが、それでも死神のワイヤーの速度に煽られる形で、つい記事の一つが一線を超えてしまった。

 もちろん、短縮や分割をした上で投稿し直すことは可能であり、取り返しのつかないミスではない。だがどのみち、今のような記事のままでは黒帽子を退けるイメージが増田≠ノはどうしても湧いてこなかった。一瞬とはいえ立ち止まったことで、その現状を自覚してしまったのだ。

 手の止まった増田≠前に黒帽子は、今度こそ必殺の一撃を放とうとでもいうのか、妙にゆったりとした動きでワイヤーを構える。
以下略 AAS



24:名無しNIPPER[saga]
2019/01/28(月) 22:57:40.40 ID:jl22JSNCO
「ほう?」

 一応は声を上げたものの、黒帽子はこの特異な状況――自分と寸分たがわぬ姿をした増田≠前にしても、ほとんど驚いた様子がなかった。

 だが、これで少なくとも戦闘力に関しては互角のはずだ。仮に相討ちになったところで、増田≠フ方は「設定」が消えるだけ。増田≠ヘ勝利を確信した。
以下略 AAS



35Res/25.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice