42: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/12(土) 18:26:41.13 ID:mYk8szNr0
春も過ぎ去って、だんだんと湿気と暑さが辛くなってくる。
が、図書館の中はいつも一定の湿度と気温が保たれているため、とても快適である。
1階の休憩室でこちらの要求を無視して、一方的に買ってもらった甘ったるいイチゴオレを飲みながら、佐藤さんと一息ついていた。
「そういえば捻挫少年。修学旅行ってどこいくの?」
「あぁ、北海道行きましたよ。この冬に。」
「えぇ!もう行ったんだ!?しかも北海道?」
「はい。ここらへんの高校は大体2年の終わりに行きますよ?捻挫をする前に北海道でスキーしてきました。」
「なんだよ、もうちょっと早く行ってよー。この前ハマって読んでいた旅行エッセイが北海道が舞台だったからめちゃくちゃ行きたかったのに。」
「そんな無茶な、まだ先生が芸術的にこける前だったじゃないですか。」
「よくも先生との素敵な出会いをそんな風に表現できるね。」
「あまりに見事で思わず目を奪われたもので…」
「今度同僚に『あまりに素敵で目を奪われた』って言われちゃったって自慢しよー。」
「部分だけ引用しないでくださいよ。それに、どっちにしても痛くないですか、それ。そんなキザな台詞吐く人と遊んでるんだって…」
「うるさいなー、ちょっと傷ついたよ。元カレがそんな台詞吐いてたから余計。」
「そんなの知らないっすよ。こっちは貰い事故じゃないですか。」
「それにしても、北海道いいなー。どこ行ったの?」
「定番の札幌と小樽、あとニセコです。」
「私より先に行くとは生意気な。」
「完全に言い掛かりじゃないですか。」
「ジンギスカンとかお寿司は食べた?」
「いや、そういうのは食べなかったですね。学生には高くて。」
「もったいないけど、そっか、学生だとしょうがないよね。」
「あ、豚丼はめっちゃ旨かったです。」
「やっぱ生意気。」
最近は彼女とたわいもない話を出来るようになった。
こうして毎週大学で誰かと勉強することが、良い息抜きになっている。
高校ではまだ勉強をしながら話せる友人はいない。
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