女友達『それは要するに、ヤキモチを焼いたのよ』
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/06(日) 23:54:38.14 ID:NVRX8yZB0
「よう。昨日は悪かったな」
「っ……気に、しないで」
翌朝、いつもの調子で声をかけてきた男友達。
私は前髪で泣き腫らした顔を隠しつつ。
自己防衛の為に彼から距離を取る。保身第一。
「なんか顔、腫れてね?」
「あ、朝だから、むくんでるだけ……」
「なんか目、赤くね?」
「け、結膜炎だから、おかまいなく!」
結膜炎って。我ながら酷い言い訳で情けない。
「……何があった?」
「別に、何も……」
「どうして泣いてんだよ」
気づかれた。当然だ。涙を止められなかった。
「……あんたに、関係ないでしょ」
「関係ないって……なんだよ」
「いいからほっといて!」
「放っておけるかっ!」
悲しみ、後悔、羞恥、絶望、自己嫌悪。
こんな失恋イベントなんて、もう嫌だった。
まるでひと昔前の青春ドラマのような一幕。
それを鼻で笑っていた私が当事者になるとは。
一刻も早く、舞台から降りて、楽になりたい。
「私は、あんたの幸せを壊したくないの!」
泣きながら叫んだ悲鳴は、紛れもなく本心で。
「はあ?」
キョトンと首を傾げた彼には伝わらなかった。
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