5: ◆O.FqorSBYM[saga]
2019/01/05(土) 23:55:50.36 ID:oCbTYucR0
女看守「進むしかない...」
女囚人「そうですね...そうしましょうか」
女看守「...そのまま付いて来い、逃げようとするなよ?」
女囚人「両手の自由がないのに、こんな未開の星で逃げても野垂れ死ぬだけですよ」
女看守「...とにかく、"死刑宣告"が出ているお前を母星に連れていくのが私の仕事だ」カチャ
コミュニケーションは最悪だった。
脱出ポッドに備えてあった救急キットを手に持ち、この未知の洞窟を歩み始めた。
そしてアサルトライフルのような銃器、それに付属したライトで前を照らした。
女囚人「...」スタスタ
女看守「...」スタスタ
無言で進んでいくが空気は完全に死亡している。
だがそれは良くない、たとえ犯罪者が相手だとしても行わなければならない。
このまま沈黙を続ければ精神的によろしくない、必要なのは他愛のない会話である。
女看守「...それにしても、奇跡的に重力や空気圧は母星と同じ程度で助かったな」
女囚人「そうですね...ただ酸素があるかどうかはわかりませんね、このマスクに助けられました」
女看守「...ヘッポコの脱出ポッドだが、これと救急キットが設備されていただけで幸いだったか」
未来の技術が可能にした酸素変換器。
それはタバコの箱程度の大きさまでに小型化が成功した。
これがあれば酸素のない惑星旅行もバッチリ、それがこの製品の広告の謳い文句。
女看守「...」スタスタ
女囚人「...」スタスタ
──シュー...シュー...
会話が終わってしまった。
そして聞こえるは、ガスマスク特有の呼吸音。
沈黙は当然、彼女らは囚人と看守、余計な会話などできるはずがない。
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