22: ◆O.FqorSBYM[saga]
2019/01/06(日) 00:17:50.55 ID:S5Xl1a3+0
女看守「...あれ?」
女囚人「あぁ...気づきました?」
女看守「...腹は減ってるが、身体の調子が良くなったような」
まるで点滴で栄養を補給したような感覚。
空腹状態ではあるが飢餓状態ではない、身体に染み渡る動力。
それを説明するべく、彼女はライトであるものを照らした。
女囚人「...救急キットに注射型の栄養剤が2本ありました」
女囚人「それを注射したんですよ、これで3日以上は生きていけそうですね」
女看守「あぁ...そうだったのか...そんなものが入っていたのか...」
女囚人「そうです、ついでに私にも注射させてもらいました」
思わぬ栄養源に救われた。
これで3日は愚か1週間は生命活動できるだろう。
とてつもない安堵感が彼女を包み込む、それは思わず口を滑らした。
女看守「...よかったぁ」
漏らした言葉、それは本心であった。
仕事中の彼女の口調とは程遠い柔らかな声色。
彼女はまだ生きることを許された、不安を完全に取り払うことができた。
女囚人「...生きる目的があるみたいですね」
女看守「──っ! あ、あぁ...そうだ」
そんな女性らしい声を聞かれてしまった。
あろうことがこの犯罪者に、己を生かしてくれた犯罪者に。
暗闇で伺うことはできないが、今女看守の顔は真っ赤に染まっていた。
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