32: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:28:50.08 ID:p8Id/7Jt0
それから何日か経ったが、植えられた種は一向に発芽する気配がなかった。やはり、これでもまだ汚染が強すぎるのかもしれない。
「……なかなか、うまくいきませんね」ワカバさんがつぶやく。「ショーコちゃん、ここはひとつ」
「フヒ……わ、わかった」
なにをするつもりなのか、と私が訊ねるよりも早く、ショーコさんが息を吸い込み、
「ヒャッハァ!!! お前らァ! もっと気合い入れろォオオオ!!!」
大きな声で叫んだ。
「……どうです?」
あぜんとする私に、ワカバさんが話しかけてくる。
「どうとは……え? 汚染レベルが、下がってる……?」
「よかった、菌類が活性化したんです」
「なぜ?」
「さあ?」
次の日、初めて植物の芽が地上に顔を出した。三人は、私といっしょになって大喜びしてくれた。
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