22: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:20:37.84 ID:p8Id/7Jt0
*
――翌日
23: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:21:33.59 ID:p8Id/7Jt0
〜岡崎泰葉編〜
24: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:22:34.57 ID:p8Id/7Jt0
「泰葉ちゃんおはよう」
泰葉「おはようございます、いつもお世話になってます」
「こないだの公演、大好評だったね」
25: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:23:09.07 ID:p8Id/7Jt0
「あ、岡崎さん。公演観に行ったよ、すごくよかった」
泰葉「本当ですか? 嬉しいです」
「話も面白かったし、やっぱり岡崎さんがよかったね。『岡崎泰葉ここにあり』って感じで」
26: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:23:46.81 ID:p8Id/7Jt0
――事務所内通路
泰葉(戻ってくるの遅くなっちゃったな。外、もう暗い)テクテク
27: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:25:13.31 ID:p8Id/7Jt0
*****
ヨーコさんたちを見送った私に、三人組の女性が話しかけてきた。
三人はそれぞれ、ショーコ・ワカバ・ホタルと名乗った。オートマトンではない、だけど、人間ともなにかが違う。
28: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:25:56.51 ID:p8Id/7Jt0
それからワカバさんは、自分たちは戦時中に開発された人工生命体だと言った。
人間と、ワカバさんとホタルさんは毒性のある植物、ショーコさんは毒キノコを掛け合わせた、触れるだけで人の命を奪うことができる生物兵器だと。
ある施設で研究が進められていたが、実用化される前に戦争が激化し、施設ごと打ち捨てられた。気が付けば地上は焦土と化し、人間たちは地下に逃れていた。
施設を抜け出した彼女たちは有害物質に耐性があり、地上でも生き延びることができて、ずっと、あてもなくさまよっていたらしい。
29: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:26:54.59 ID:p8Id/7Jt0
ここの土壌は汚染が強すぎて、植物の生育は難しいだろう。種の数には限りがあるから、まずは少しでも汚染の少ない土地を探さなければならない。
「汚染レベルは以前より下がっているんですね?」
ワカバさんが言った。
30: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:27:36.34 ID:p8Id/7Jt0
開墾のための道具と雨水を貯める容器を作り、土を耕して種を植える。それを繰り返して日々を送る。
オートマトンの私とは違い、彼女たちにはかなりの重労働だろうに、三人とも献身的と言っていいぐらい熱心に手伝ってくれた。
「どうして、私を手伝ってくれるんですか?」
31: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 19:28:17.33 ID:p8Id/7Jt0
あるとき、ヘレンと名乗る女性が通りがかった。私やヨーコさんたちに続いて、地下から地上にやってきたらしい。
彼女は私たちが作業する様子を興味深げに眺めていた。
部分的な機械化もされていない、完全な生身の人間だ。長いことここにいたら、病にかかってしまうだろう。
「地下に戻ってください」と私は言った。
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