8: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2019/01/01(火) 04:38:44.46 ID:pAwLlUB80
ちか「きょうおたんじょうびなの?」
ダイヤ「……そうですわ」
誰にも知られず、思い出されず、過ぎてしまう、そんな忙しない、虚しくて、寂しくて、悲しい日。
わたくしはそんな辛さを共感して欲しくて、もうこの際、今目の前にいるこの子でもいいから、気が引きたくて言っただけのつもりだったのに。
ちか「すごーい!」
ダイヤ「え……?」
完璧に予想外の反応が返ってきた。
ちか「いちがついちにちがたんじょうびなんてすごいよー! はじめてみた!」
ダイヤ「……すごくないですわ」
ちか「でもおぼえやすいよ?」
その発言にカチンと来る。
ダイヤ「だからっ! だれもおぼえてないっていってるでしょっ!?」
思わず声を荒げた。
ダイヤ「こんないそがしいひのたんじょうびなんて、だれもおぼえてないのっ!!」
ちか「だれもじゃないよ?」
ちかはキョトンとした顔で言う。そのとぼけ顔にますます頭に血が昇る。
ダイヤ「じゃあ、だれがおぼえてるのですかっ!!!?」
普段は自制してるつもりだったのに、ヒステリックに怒鳴りつけてしまう。
だが、彼女はそんなわたくしの剣幕に全く怯むことなく。
ちか「チカがおぼえた」
ダイヤ「!」
ちかの言葉に、思わず、目を見開いてしまう。
ちか「そんなおぼえやすいたんじょうび、チカはわすれないもんね〜」
そう言いながら、ちかはニシシといたずらっぽく笑う。
ダイヤ「……ん、えっと……」
なんとなく言葉に詰まってしまったが、搾り出すように、
ダイヤ「……どうせ、あなたもわすれますわ」
何故か意固地になって、そう決め付ける。
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