7: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2019/01/01(火) 04:36:52.16 ID:pAwLlUB80
ちか「なんでないてるの?」
ダイヤ「…………」
ちか「いやなことあったの?」
ダイヤ「…………」
ちか「ねーどうしたの?」
適当に無視しておけばどこかにいくと考えていたけれど……思った以上にしつこい。
軽く顔をあげると、
ちか「ねー?」
さっき以上に近い距離でわたくしの顔を覗き込んでいた。
ダイヤ「…………」
……どこかに行くどころかどんどん近くなってるし……。
理由を言わないと、そのうち近付きすぎて頭突きでもかまされそうだ。
ダイヤ「……はぁ」
ちか「?」
ダイヤ「……きょうががんじつだからですわ」
ちか「がんじつ?」
ダイヤ「……おしょうがつのことです」
ちか「おしょーがつ、きらいなの?」
お正月が嫌いなのか。その問いを反芻しながら、
ダイヤ「……きらいですわ」
わたくしはそう答えた。
ちか「なんで?」
ダイヤ「……みんなわたくしのことをわすれるから」
ちか「わすれる?」
ダイヤ「……わたくしのひ、なのに……」
ちか「? おしょーがつはあなたのひなの?」
ダイヤ「…………」
ちか「??」
ちかはまた、首を傾げながら、不思議そうに、わたくしを覗き込んでくる。
何が彼女の興味をそんなに引いているのか、理解できなかったが──興味を持ってくれたこと自体が純粋に嬉しかったのかもしれない。
ダイヤ「──じょうび……」
ちか「え?」
ダイヤ「……おたんじょうび……」
小さな声で、子供が周りの興味を引きたくて搾り出すような、そんな声で、呟いていた。
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