年越し代行
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8:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 20:30:41.43 ID:JbQZeQhn0
「おう」

 いつもの年末、いつもの集合場所で、ジイサンは僕の姿を認めると、嬉しそうに手を上げて笑った。
 これに答える代わりに、僕は黙って缶コーヒーを飲み干し、その辺に投げ捨てた。

「何シケてんだよ」
「別に」

 立派な学歴も資格も必要としない。
 天涯孤独の身である事。
 そして、友人や恋人等、人との繋がりを作らない事が、この業務に従事する職員の条件だった。


「まぁ、カワイコチャンとイチャイチャできねぇのは分かるけどな」

 若者ぶりたいんだろうけど、どこか古くさい。
 大方、自分では上手い事やれてるつもりでいるのか、ジイサンはなおも愉快そうに笑う。

 その姿が、僕には余計に不愉快だった。
 自らの境遇に何の不満さえ持たない彼が、理解できなかった。



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