年越し代行
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4:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 20:18:10.92 ID:JbQZeQhn0
「どうした、ボウズ」


 宵闇にしんしんと降りしきる雪にボーッと持ってかれていた意識が、現実に引き戻される。
 ジイサンに呼ばれ、僕はタバコをその場に落とし、靴底で踏み消した。

「このペースだと間に合わねぇぞ、早くしろ」
「あぁ」

 ジイサンはそう言うが、そんな事はない。
 僕達の乗る公用車は、時間も場所も少しだけ操れるバック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアンみたいな代物だった。
 日を跨いでも戻れるので、そう急がずとも目的は十分に達成できるのだ。

 問題があるとすれば、単純に対象人数が多すぎるということ。
 割り当てられた地区の案件を一つ一つ訪ねるのも、面倒といえば面倒だ。


 とてもじゃないが、僕にはやりがいを見出せる仕事ではなかった。

 しかしそれは、業務の単調さが嫌なわけじゃない。



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