年越し代行
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29:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:25:16.23 ID:JbQZeQhn0
 6畳1Kの部屋は、玄関から奥の腰窓に至るまで、相変わらず怠惰で埋め尽くされていた。

 台所はカップ麺の捨て場となり果てており、タオルや服は畳まれないまま乱雑に放られている。
 残された隙間の至る所には、雑誌やティッシュ、その他の見るに堪えないゴミが散乱していた。

 僕は玄関で待機し、後ろから様子を見守っていたが、さすがにジイサンも面を食らったらしい。
 だが、黙して彼は、まるで地雷原を進むようにそぉっと足を慎重に運び、なんとか奥のせんべい布団で眠る住人まで到達した。

 こうして傍から見ると、つくづく風情の無いサンタさんだ。が――。

 今年も、単調な仕事を終える時が来た――そう、住人の頭に手を掛ける、彼の手が止まった。



 ――――。



 長い沈黙は、彼の動揺を如実に示していた。
 それは当然と言えた。

 自分の生き写しといえるような存在が目の前にいる。
 そして、いるはずがない、しかし疑いの余地が無い、自分の生きた証が。



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