年越し代行
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27:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:19:31.74 ID:JbQZeQhn0
 ジイサンは、事も無げに鼻で笑った。
「そういう役回りを俺は選んだ」

 車の乗り降りを繰り返しながら、順調に案件を消化していく。
 それは当然に、次第に目的地へ近づいていくことを意味していた。

 彼の生きた証そのものに。


「もし、ジイサンのお子さんが生きていたら、何歳くらい?」
「ハッ! もうオッサンだろう。傍から見りゃ、俺がソイツのガキに見られるかもな」

 自分で言った事が面白かったのか、ジイサンは膝を叩いてゲラゲラと笑った。
 その通りだった。彼は傍から見れば、20代の若者だ。

「だとすれば、その人のお子さん……つまり、ジイサンのお孫さんが生まれていても、おかしくないわけだ」


「――ハハハ」
 ジイサンは苦笑し、かぶりを振った。

「たらればとか、夢物語を語るのは飽きたよ。
 つまんねぇ話はやめようや」


 車を停めた。今年最後の家だ。
 木造2階建て、単身住まいの古びたアパートには、あの男しか住んでいない。



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