年越し代行
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25:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:13:15.13 ID:JbQZeQhn0
「最後にとっておきたい所があるんだ」

 赤信号に気づき、慌ててブレーキを踏む。
 やはり、我ながら僕の運転はおっかない。
 だが、ファンタジー染みた車でも、現実世界の交通ルールを守らなくてはならないのは、何となくおかしな話だと思う。


「ジイサン……ジイサンには、奥さんと子供がいたんだったよな」

「恋人だよ。まだ結婚していなかった」
「将来家族になるはずだったその人達の、その後が気になった事は?」
「どうした、藪から棒に」

 次のブロックを片付けるため、一旦車を降りる。

 5分ほどしてまた乗り込み、シートベルトを締めながら、僕は続けた。


「時々、思うんだ。
 流れる時代に何一つ、生きた証を残す事ができない自分って、一体何なんだろうってさ」



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