年越し代行
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24:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:11:26.03 ID:JbQZeQhn0
 この車を運転するのは、随分と久しぶりだ。
 仕事に就いたばかりの頃は、下っ端という理由で、先輩風を吹かせるジイサンに運転させられていた。
 だが、なにぶん僕はペーパードライバーだし、彼自身も車が好きだから、このところ僕はずっと助手席に座るだけだった。

 それを承知しているはずのジイサンが、なぜ何も聞かず、僕に運転を任せたのか。
 今年の担当ブロックの3割ほどを消化して、ようやくそれが不思議である事に気づいた。


「効率悪くねぇか、このルート」

 助手席のジイサンが、僕に声を掛けた。
 不平を言っている訳ではない事は、僕がどんな面白い言い訳をするのかを期待する彼のニヤケ面を横目に見て、すぐ分かった。

「もうお前もヒヨッコじゃねぇんだ。考えがないワケじゃねぇだろう」

 どうやらジイサンは、僕を泳がせたらしい。



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