年越し代行
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10:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 20:34:34.76 ID:JbQZeQhn0
「おい知ってるかボウズ」

 色気の欠片も無い、野暮ったいデロリアンを運転しながら、ジイサンは藪から棒に話を振った。

「ゆくゆくは、この仕事も全自動化っつーのになるかも知れねぇな。
 昨日テレビを観てたらよ、すげぇじゃねぇか。
 アイシーチップとかいうので、なんか工場とかよ、全部管理する技術があるんだってな。
 よく分からんが、それを使って、自動で年号を更新するのができりゃあ」

「そうだな」

「何だよ気のねぇ返事だなぁ、オイ」
 頬杖をついて窓の外を向いてる僕を、ジイサンはグーで小突いた。


「ジイサン」
「ん?」

「何が楽しくて、ジイサンはこの仕事を続けているんだ?」

 深夜とはいえ、大晦日だ。
 普段よりも夜更かしをする人間は多い。
 通りは新年を祝う人達で溢れ、行列はここから歩いて15分ほど先にある寺まで続いているようだった。



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