24:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/24(月) 23:06:20.14 ID:dEp6YdU10
「必死に子猫の里親を探すあなたが好きです」
「また、それか」
「拾った財布を交番に届けるあなたが好き」
「褒めて欲しいわけじゃない」
「だから、愛したい」
別に褒めて欲しかったわけじゃない。
ただ、良かれと思ってやっただけだ。
だから、それで好きになられても困る。
だけど、それは愛される理由になった。
人が人を愛するのは。好きになるのは。
存外、簡単な理由なのかもしれない。
「……ずっと、見ててくれたお前が好きだ」
「サンタでしたから、当たり前ですよ」
「子供じゃないのに来てくれたお前が好きだ」
「年齢なんて関係ありません。私はあなたを」
「愛してる」
女に二度も言わせるわけにはいかない。
格好つけすぎかも知れないけれど。
元サンタ娘は、嬉しそうだ。なら、いいさ。
「新しい仕事が見つかるまで一緒に暮らそう」
「見つかったら追い出すんですか?」
「なんなら、ずっと家に居てもいい」
「プレゼントはもうあげられませんよ?」
「もう充分、貰ったよ」
「……染みが付いた、パンツのことですか?」
「それも含めて、全部だ」
こうして、俺は、かけがえのない存在を得た。
染み付きパンツも含め、満ち足りた気持ちだ。
元サンタ娘自身が、最高のプレゼントだった。
【ミニ『スカ』サンタ娘の贈り物】
FIN
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