1:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/24(月) 22:02:16.52 ID:dEp6YdU10
「ん……?」
しんしんと雪が降り積もる、冬の日のこと。
物音が聞こえ、ふと、夜中に目が覚めた。
一人暮らしの家には、自分の他に誰も居ない。
それなのに、何故か自分以外の気配がする。
衣擦れや、息遣いが、暗闇から伝わった。
(おいおい……勘弁してくれよ)
はっきり言おう、正直怖い。ガクブルだ。
物盗りにせよ、ストーカーの類いにせよ。
どっちにしろ、お断りだ。うちに来んな。
(ここはガツンと、怒鳴り散らしてやるか)
なんにせよ、断固として抗議するしかない。
それで、大人しく帰ってくれたらいいけど。
もしも開き直られて、危害を加えられたら。
(落ち着け……短絡的な思考はやめとこう)
そう考えると、このまま寝たふりが最善か?
いいや、相手の狙いがこちらの命なら別だ。
端から害意があった場合はどうにもならん。
森で、クマに遭遇したわけでもあるまいし。
人間に、寝たふりが通用するとは思えない。
「はぁ……はぁ……んっ……くぅっ!」
(ていうか、何やってんだ、この侵入者は?)
暗闇から伝わる息遣いは、切羽詰まっていた。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/24(月) 22:04:36.21 ID:dEp6YdU10
「んっ……んんっ!」
どうも、必死に声を押し殺しているようだ。
か細い声音から、女性であるとわかった。
気のせいか、なんだか良い匂いがするような。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/24(月) 22:07:24.14 ID:dEp6YdU10
「ひぅっ!? も、もしかして起きましたか?」
やばい。今の溜息で気づかれちまった。
どうする? このまま寝たふりをするか?
しかし、この緊張感のない舌足らずな声。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/24(月) 22:10:35.04 ID:dEp6YdU10
「サンタ、だと?」
「はい。まだ新人ですけど、免許もあります」
そう言って、身分証を提示された。
受け取ってまじまじと見ると、よく出来てる。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/24(月) 22:13:21.62 ID:dEp6YdU10
「うーん……欲しいものかぁ」
「っ……で、出来るだけお早めにお願いします」
悩んでいると、急かされた。
そういやさっきまで切羽詰まっていたな。
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