渋谷凛「オーダーメイド」
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3: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/12/24(月) 18:34:09.73 ID:EXqurGBL0



「そういうこと。それで?」

 プロデューサーから、少しだけいつもよりも緊張のようなものを感じられるのは面白い。

 ここは、ちょっとからかってやろう。

 そう思って「話はちょっとずれるんだけどさ」と口角を上げる。

「私の家、花屋でしょ?」

「え? ああ、そうだな」

「花屋ってこれくらいの時期から年始まで大忙しでさ」

「ああ、正月花とか?」

「そうそう。あと、贈り物用だよね。ほら、クリスマスの」

「あー、そりゃそうだよなぁ」

 目に見えて、プロデューサーの表情から落胆が窺える。

 意図的に早とちりさせたことに、ほんのちょっぴり罪悪感がわいた。

 でも、あと一押しだけ。

 なんていう、悪戯心でさらにアクセルを踏んだ。

「例えば、花束」

「うん」

「あんまり忙しくないときなら、注文を受けて、数十分後にお渡しする、なんてこともできるんだけどさ」

「あー。クリスマスなんかは常に注文入ってるよな」

「そうそう」

 さて、そろそろ、ネタばらしの時間だ。

 再び口角を上げて「だからね」と言う。

「お花、欲しいなら早めに予約しておかないと、だめだよ?」



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