4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/12/24(月) 18:35:04.32 ID:EXqurGBL0
○
プロデューサーは一瞬、目が点になって、それから「なるほど……」と言った。
言葉を待っていると、彼はごほんとわざとらしい咳払いをし、椅子から立ち上がる。
ジャケットの襟を正して、大仰に片手を広げ、もう一方は私の前へと差し出される。
「もしよろしければ、一番綺麗なお花をいただきたいのですが。もちろん、クリスマスイブに」
「やっぱりプロデューサーってさ、ばかだよね」
「えっ、凛がまわりくどい言い方するから、ノってあげたのに? そんな返しある?」
「そこまでして、とは言ってないんだけど」
「で、お花屋さん? お返事は?」
「じゃあ、うん。確かに承りました」
「夕方頃に受け取りに参ります」
「はいはい。もうこのノリよくないかな」
「始めたの凛なのに?」
「だってほら、ちひろさん、さっきからすごいこっち見てるよ?」
「……仕事するかぁ」
「うん。そうしたほうがいいと思う」
椅子から降りて、腰に手を当てる。
んー、と伸びをしてから「それじゃあ、またね」と手を振った。
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