勇者「彼は正しく英雄だった」
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434:名無しNIPPER[saga]
2019/02/17(日) 02:01:56.56 ID:KrEyVsYMO

▼占い師は顎に手を当てた。

▼これから口にする言葉を選んでいるようだ。

占い師「念願叶って平穏無事な暮らしを手に入れた。だがそれでも、心身は闘争を求めた。
    そして、生を実感出来るのは戦いの中だけだと気付いた。この欲求だけは如何に良き伴侶にも埋められない」

踊り子「戦などなくとも日々の暮らしの中で生を実感出来るでしょう?」

占い師「私もそう思うよ。だが不思議なことに、私は今もこうして此処に立っている」

踊り子「……」

占い師「私は何かを求めて此処に立つ。だが、未だに納得のいく何かを得たことはない。
    そういう人種は必ず此処に舞い戻って来る。何かを探しにな」

踊り子「何か……」

占い師「ごく少数ではあるが、戦を居場所にする人種はいる。理想の相手と結ばれ理想の家庭を築こうと、何かを求めて此処に立つ」

踊り子「そんなものなのでしょうか?」

占い師「そんなものさ。だから、あまり過度な期待はするな。その方が傷は浅く済むだろう。
    但し妥協はしないことだ。自分にも、相手にもな。その妥協は諦めだ」

踊り子「よく覚えておきます。貴重な御意見をありがとうございました」

占い師「何よりだ。それが今後の人生に役立つかは分からんがな」

踊り子「大丈夫です、決して無駄にはしません」



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