勇者「彼は正しく英雄だった」
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400:名無しNIPPER[saga]
2019/02/07(木) 23:06:17.75 ID:ltwtokG1O

第六話

錬金術師「んん、着いたな」

踊り子(教会、でしょうか……)

地中から突き出たツタの中から、二人は現れた。

半壊した教会に人影はなく、夜更けということもあり静寂に包まれている。

穴の空いた天井から降り注ぐ月明かりを見て、踊り子は夜が明けていないことを疑問に思った。

砂漠の塔から都までは半日は掛かるはずなのだが、それ程時間が経過している様子はないからだ。

瞬間的に移動する魔術など存在しない、もしあるのならば広く普及しているはずである。

それとも錬金術師のみが可能にした魔術なのだろうか、だとしたら錬金術師とは何者なのか。

あの塔も、明滅する物体も、死をも怖れぬ軍団も、人々が魔物と呼称する生物も、全て彼が作り上げたのだろうか、踊り子の疑問は膨らむ。



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