勇者「彼は正しく英雄だった」
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305:名無しNIPPER[saga]
2019/01/24(木) 00:50:05.24 ID:kY2YNde0O

▼傭兵の肩がびくりと震えた。

錬金術師「お前を創ってから四十年か五十年か、様々な生物を創造したが、唯一、お前だけが、魔術に愛されなかった」

錬金術師「だが皮肉にもそんなお前が、人間の姿を留めたお前が、あの戦乱の中で生み出した生物の中で最も優れた能力を発揮した」

錬金術師「知性を削ってまで創り出した生物は魔物と蔑まれ、人間のお前だけが認められる始末だ。単に私が失敗しただけなのだろうがな」

錬金術師「……」

錬金術師「私が憎いか。ならば憎め。私は憎しみを拒まない。ただ、私から自由になりたいのなら私に従え」

錬金術師「……」

錬金術師「お前の望み通り、お前の生徒達も来るようだな。勇者、戦士、魔法使いだったか」

錬金術師「どれも殺すには惜しい逸材だ。中でも戦士は素晴らしい。お前同様、変異していない」

▼傭兵は拳を握って俯いた。

錬金術師「……お前の最も大切なものが何なのか、それはよく分かっているだろう。さあ、そろそろ軍が来る頃だ。傭兵よ、成すべきを成せ」



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