勇者「彼は正しく英雄だった」
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147:名無しNIPPER[saga]
2019/01/11(金) 23:40:28.55 ID:h08jzXpsO

こうして瞬く間に十日が経った。

この特訓での魔法使いの成長は目覚ましく、魔術の幅も広がりを見せ始めた。

危険な場面は幾度もあったものの、それら全ては戦士の援護によって事なきを得ている。

その献身的とも言える戦いぶりによって、戦士は早期から魔法使いの信頼を得るに至った。

近距離、遠距離共に優れた力を発揮する戦士の存在は非常に頼もしく、魔法使いは安心して戦うという感覚を初めて体験する。

信頼出来る存在を得たことにより攻撃一辺倒だった魔法使いの思考も変化し始め、徐々に献身的な行動を取るようになった。

傭兵はこの変化に確かな手応えを感じ、以前より危険度の高い依頼に切り替える決断を下す。

それによって魔法使いに更なる変化を促すと同時に、広い視野を身に付けさせる狙いもあった。

その後も精力的に依頼を受け続けて更に数日が経った頃、二人は前衛後衛に囚われない柔軟な戦法を見せ始めた。

それこそが傭兵の二人に求めた理想であり、その形は出来上がりつつある。

この先も特訓は続き、先生と生徒二人の関係は長らく続くものと思われた矢先、傭兵は忽然と姿を消した。



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