勇者「彼は正しく英雄だった」
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116:名無しNIPPER[sage]
2019/01/09(水) 22:12:04.42 ID:tGuYwrdyO

戦士「しねーよ」

魔法使い「なら良いけどさ。んじゃ、またね」

スタスタ

戦士「……」

通りの角を曲がるまで背中を見送ったが、魔法使いは一度も振り向くことはなかった。

その背中が先程語ったことを体現しているように思えて、戦士にはそれが眩しく見えた。

同世代の傭兵、しかも女性にこれほど強い衝撃を受けたのは初めてのことだった。

姿が見えなくなってからも呆けたように立ち尽くしていたが、ふっと笑った。

(先生には感謝しねえとな……)

闇の中で近々死ぬと告げられた時から、戦士は諦めと恐怖に囚われていた。

それは決して拭い去れるものではなく、心の奥底にしっかりと根付いている。

けれど今はただ、清々しさだけがあった。



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