【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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◆axPwtNeSoU
[saga]
2018/12/19(水) 00:52:06.78 ID:ER7oh7KA0
「それよりあんた、大事なことを見逃してるわよ。あいつらが誘導したのは、相手の思考と進路だけじゃない。もっと基本的なこと……視線よ」
「視線?」
「より正確に言うなら、視界、だな」
水上機を索敵や着弾観測に使うのは確かに有効な手段だが、水上機を「目」として使っている間、どうしても視界と意識はそこに向けて限定され、自分自身の周囲への警戒がおろそかになる。
潜水艦をはじめとする伏兵の待ち伏せ雷撃に大型艦が不覚を取る例の多くは、この瞬間を狙われたためだ。
双眼鏡を使って遠くを見ている時に、こっそり近づいてきた暴漢にいきなり横面を張りとばされるようなもの、とイメージすれば解りやすいだろうか。
このため水上機を「目」として使う時には随伴艦を周囲の警戒に当たらせるか、こまめに水上機とのリンクを切って周辺警戒も並行して行うのが鉄則である。
『訓練は実戦の如く、実戦は訓練の如く』を地で行くベテランならば、たとえ伏兵が存在しないことが明らかな演習であっても、随伴艦無しで水上機とのリンクを繋ぎっぱなしにしたりなど決してしない。
だが、練度がほぼゼロの大和型二人にとっては――敵が二人と決まっていて、しかもその両方の動きが水観で把握出来ている以上――周辺警戒のために水観とのリンクを切るよりも、そのまま水観の「目」で北上と大井を監視し続けた方が効率的に思えてしまったのである。
「練度不足がもろに出たな……水観を素直に飛ばし過ぎた。北上と大井に対空兵装がないことを見越しての事だろうが……二人からすれば逆に、あれで大和と武蔵のいる方向が丸わかりだ」
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