【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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105: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/12/20(木) 00:01:44.05 ID:dKCyvHSA0


大井の言葉に、阿武隈は混乱した。



「……え?」



――どういう意味だ。



――そんなはずがない。



――目指して、追いかけて、憧れたのは、いつだって自分の方で……




「……ううん、正確に言うなら、北上さんが憧れたのはあなたじゃない。『あちらの世界』にいた時のあなた……軍艦だった時の【軽巡・阿武隈】なのよ」


苦いものを飲み込んだ時のような苦しげな声で大井が続ける。


「北上さんは……『あちらの世界』にいた時に、強く、激しく、【軽巡・阿武隈】に憧れたの。そして……今も憧れ続けているの」




「何、どういうことよ、それ……」


理解に苦しむ表情で五十鈴が呟く。


「……五十鈴。私たち艦娘は、『あちらの世界』で『あの戦争』を戦った軍艦の生まれ変わりのような存在……そうよね?」

「……まあ、そうね。真実かどうかはともかくとして、少なくともあたし自身はそうとらえてるわ」


何を今さら、という顔で五十鈴が応える。


「そして、物言わぬ……意志持たぬ鉄の塊だった私たちは、この世界で艦娘として生まれ変わって――そこで初めて、自我を持った生身の存在として、意志を、感情を、心を持った……そうよね?」


訳もわからぬまま、阿武隈が頷く。


「……でもね。北上さんは、違うの。そうじゃなかったの」


大井の顔には、今にも泣きだしそうな子供のような表情が浮かんでいた。


「あの子は……北上さんは、艦娘として生まれ変わる前、『あちらの世界』で【軽巡・北上】として生きていた頃から、意志を、感情を――心を持っていたのよ」




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