【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」
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104: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/12/19(水) 23:56:49.71 ID:ER7oh7KA0


「……まず、話の核心に触れる前に、はっきりさせておかなくちゃいけないことがあるわ」


大井は言葉を続ける。


「確かに阿武隈さんは今回ミスをした。それについて北上さんが……相当に失望したのは確かよ」


その言葉に、阿武隈が俯く。

「ただね……はっきり言って、これは北上さんが阿武隈さんに、無理な期待をし過ぎていたせい。 これについて阿武隈さんは悪くない。むしろ……北上さんこそが、責められるべきなんでしょうね」


大井の表情は苦い。


「結局のところ、教導を降りるなんて言い出すくらいに北上さんが思いつめた決定的なきっかけは……阿武隈さんの最後の言葉」


阿武隈の肩がわずかに震える。


「わざわざ自分から招くような事をしておいて、とさえ言えるかも知れないけれど――――北上さんは……とても傷ついたのよ、阿武隈さん。あなたが思うより……多分、自分で思ってたよりも、ずっと、ずっと深くね」

「どうしてそんな……」

「あなたは……あなただけは、何があってもそんな言葉を吐かないはずだって……北上さんは、そんな風に信じきってしまっていたから」


あなただけは、という言葉が胸に突き刺さり、阿武隈は目を伏せる。


「……けどね、阿武隈さん。北上さんが耐えられなかったのは、あなたが吐いた言葉そのものじゃないの。 ……そんな言葉をあなたに吐かせてしまったのが、他でもない自分自身なんだって事……それが、許せなかったのよ」


うつむいていた顔を阿武隈が上げた。


「それって……。どうして、そんな……」


淡々とした静かな声で、大井が告げる。


「……だって阿武隈さん。あなたは北上さんにとって――」



痛みをこらえるような表情で、言葉を続ける。



「――憧れそのものだったんだもの」




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