道明寺歌鈴「バスルームマーメイド」
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9: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2018/12/16(日) 23:59:55.62 ID:pUh8l9DQo



 私は神社にいました。実家の神社ではなく、プロデューサーさんにスカウトされて上京して初めて事務所に行く前、あの人にどうしてもとお願いして寄った神社でした。

 どうして、と辺りを見回しても人の気配はありませんでした。昼間であるはずなのに、私以外に動くものはいませんでした。

 あの日とは違って隣にプロデューサーさんはいなくて、何故だか分からないけど怖くなって。駆け出そうとしたらぐらり、と世界が歪みました。

 そこでこれは夢だと気付きました。オペラで形作られた鹿さんが私を咥えていたから。甘い甘いチョコレートの匂いとモカシロップの香りに包まれて鹿さんの背中に乗せられました。生クリームを掻き分けながら進む鹿さんは自分を最大と名乗りました。そんな最大と名乗る鹿さんに跨っていたら段々と溶けていってしまいます。どうすることもできずに、なすがままに跨っていたら彼は小さく謝ってから崩れました。

 生クリームの地面へと落ちていく私を吹き上げたのは銀色の風でした。舞い上げられた私が見たのは七色の星の海。赤青黄色と瞬いてはすぐに色を変えていく移り気なお星様たちに手を伸ばして掴み取りました。
 ぎゅっと手のひらに掴み取ったお星様を抱えたら余りの眩しさに目を細めてしまって。



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